2010/05/17

類推が果たす役割

(地理学が自然科学と人文科学の領域に渡っていることをまず疑問に思わなければいけないのかもしれないが、そこにはノータッチで話を進める。ただ、哲学に似ている。兄弟か。)
自然地理的分野では自然科学的アプローチがなされ、論証が行われている。一方、人文地理的分野でも同じく論証が行われているが、さて、どちらの地理にしても類推の果たす役割は大きい。

研究はかならず主観に基づいて進められることを自覚したい。たとえば、目の前の坂道を見て、どこからどこまでが坂道でどこからが平坦な道なのかということは一見定量化してしまえば答えがでそうだけれど、でない。坂というのが何のことか、明示的に入力されないと定量化しきれない。それでもなんとなく、人は坂道と平坦な道を分けている。体験に基づいて主観的に判断しているし、きっとそこには類推も含まれているはず。

フィールドワークで何かを感じ取るとき、この類推がきっと大きな役割を果たす。自分の内部からあふれる既知観と類推でものを見ると、新しいパースペクティブのカット面が見つかる。
類推は推測とはまた違う、直感的に見えないネットワークに気付ける力。
地理的類推力って聞かないけど、これを育てることが地理的見方考え方だと思う。

みえないものを見える化するのが研究なら、みえないものに気付ける化することを目標にするのが教育か。